シミュレーションラブ

ニートはニートの悩みがあることを知らない一般人は、幸せだね。

「Pure Soul~想い出の雫~」プロローグ4

 言ってもいいかわからないが、実はこのブログ記事はいっぺんに投稿命令を出しているので実際は本日にこの文章を投稿してるのではなく、数日前に投稿しているのだ。投稿当日に何か用件を付け足すこともあるし、別記事が先に投稿されているってこともしばしばある。
 何が困るかといえば、気分次第で投稿前の記事をひっちゃかめっちゃかにかき混ぜ、次の日になったらその投稿を削除した記事まで投稿した気になっていたり気分次第でひっちゃかめっちゃかになることである。

 正直、この小説的な何かも、ここで投稿を止めてしまいたいとも思っていたりする。

泣き顔の中の微笑み
 午後の授業は、体育である。 高校生にもなれば、逆上がり位簡単にできる年齢だ。 だが、世の中には出来ない人もいる。得意・不得意があるのだからしょうがない。 俺は『体育』が得意だが、『鉄棒』は大の苦手なのだ。

「はい、それでは逆上がり100回やってその秒数を競います。 成績に入れますので、それを考慮して頑張ってください。」
そう、体育担当の先生が言った時は、殴りかかろうかと思ったくらいだ。 高校生というのは逆上がりは99%できることと考えているらしい。 その1%に入っている俺は運がいいのか悪いのか。
「それでは、名前を呼ばれたら、みんなの前で逆上がりをしてみてください。」
先に、この後のことを書いておくと、俺はみんなの前で「できません!」と叫び、惜しくも体育の成績が下がったと思われる。 ところが、先生と来たらそれでも「ためしにやってみろ」と連呼するので仕方なくやった。 すると、鉄棒に触れた瞬間・・・でき・・・なくて、鉄棒から落っこちて右足が変な方向に曲がって終了。 サッカー部に重罪する俺の大事な利き足が変な方向に曲がった。
 そんなわけでよくわからない体育の授業が終わった。

 放課後、真っ先に俺の所へ綾香が来た。
「今日も、健君鉄棒下手だったね!鉄棒から落っこちて、保健室で右足、包帯ぐるぐる巻きだもんね~♪」
相変わらず、俺に付きまとってくる綾香。クラスのみんなに聞こえるようにわざと声を張り上げている。 ちなみに、保健室の優しい優しい先生は病院に行く必要なしと言って、その足をわざと触った。 どいつもこいつも、わざと過ぎる。
「あ~あ、鉄棒なんかなきゃいいのに。」
よく考えたら、こんな足で部活なんかできない。
「だから、今日は部活休む」
「じゃあ、そろそろ帰ろうよ!」
「いや、休むだけで部活の見学はする」
「(*・ε・*)ムー、いいじゃんいいじゃん。帰ろーよ~♪」
ベトベトに俺の腕に絡み付いてくる。解いても解いても、綾香は俺の腕にしがみつこうとする。
「嫌だ。少しは離れろよ、気持ち悪いなぁ。」
俺は綾香の手を乱暴にふり解いた。すると、妙に綾香は暗い表情をする。 そこで俺は、はっとなる。
 ところで、綾香は一人でいるのを極端に嫌う。俺の部屋で一人でいるのは、安心するらしいので例外だ。 だから、同時に一人で帰宅する時なんかを特に嫌う。 でも、一人を嫌う理由は綾香の過去にあった。

 俺はあの時のことをありありと思い出した。そう。綾香が、一人を嫌がる本当の理由。

 ある花火大会の日、俺はめんどくさいという理由で、綾香が花火大会に一緒に行こうという申し出を断っていた。 だが、その夜、綾香は一人きりで花火大会に行ったのだ。 今思えば、友達を誘えばよかったのに。そう思った。 綾香は、見知らぬ複数の少年達に、強姦されそうになったのだ。 木の茂みに隠されそうになり、手を縛られ、胸を触られ、綾香自身は声が出なかったらしい。 しばらくすると少年の一人が脱ぎだす寸前、 たまたま、近くの焼きそば屋のおばさんが周りに「誰か来て!」と叫んで、その痴漢少年達は逃げ出した。 その後、ドサクサに紛れ綾香は俺の家に来た。 とりあえず、ただならぬ綾香の表情に緊急事態を監視し、俺は綾香に部屋を通した。

「あのね・・・あのね・・・。」
そういって、綾香は何も話さなかった。 俺はその時は、怖がって震えている綾香に何も言えなかった。 何も言わずに、綾香は俺に寄りかかってくる。 やわらかく、繊細な女の子らしい髪の毛がふわりとして、見るからに純粋な子だ。 震えている・・・そう思ったのもつかの間、彼女は静かに涙を流し始めた。 俺は焦った。涙は男の敵だ。女性が涙を流すと何がなんだかわからなくなる。
「怖かったろうに・・・。」
小さく見えた綾香の体は、触ると消えてしまいそうで、妖精みたいな存在だった。 優しく、俺は背中をさすりながら無言で撫でる。
「でも、なんだろう。こうしていると安心する・・・。」
俺はこの時は、何も言わなかった。
「ねぇ、1日だけ貴方といていい?」
いきなりの申し出に判断に困った。ここは俺の部屋・・・というより俺の寝室だ。 こんな新鮮で純粋な女の子はこの世にはいないかもしれない。 それを、俺が汚すことは出来ない。 『適当な判断』だったが、前にも既にそう思ったことがあった。 俺は綾香に対する、部屋の出入りを禁止している。 別にやましい話ではない。こんな素敵な女の子が高校生の時に、 彼氏でもない人の家にいると将来の彼女の彼に知られてしまっては、将来が台無しとなる。 そんな思いを含め、このような会話が成り立っていた。
「だめだ。」
泣き顔がさらに、泣き顔になり、俺は痛感を得た。 だけど、泣き顔を前にきっぱり断ることは出来なかった。 昔から接してきた綾香だから、俺の情けない心の揺れの鼓動が自分自身に響いてきた。 泣き声も大きくなり、本当にかわいそうになる。
「ごめん。わかったよ。夜以外はいつでもうちに来ていい。」
すると、驚いたことにぎこちない笑顔であったがそれでも笑顔になった。 さっきのは嘘泣きではない。綾香は、嘘とかそういうことに無縁の人間なのだ。
「ありがと。でも、ごめんね。私、健君しか逃げ道無いんだ・・・。」
心を串で串刺しをされそうになった。泣いた理由なんか聞けなかった。 だけど、俺たちは幼馴染という関係であり、そのように間違った関係にあってはならない。 彼女の将来のために、俺自身、彼女といる時間を減らさないと。 せめて、夜の時間帯だけは避けなくてはならない。 これは『適当な判断』という訳ではなく、案外、『身勝手な判断』だと思う。

だけど、これも彼女の将来の為になるんだよな?

 結局、その日は心配だったので、俺の部屋に綾香を泊めさせた。 もちろん、俺の部屋に泊めたのだがいっしょにいることができなかった。 見守ってやりたい気持ちもあった。抱きしめたくなるこの気持ち。 怒りが湧いてくるのもあるが、彼女を哀れに思う気持ちが一番心に痛かった。

 ・・・こうした思い出の中、俺は幼馴染という関係でありながら、 俺が自分の部屋を持ってから綾香は1回しか俺の部屋に泊めたことが無い。 これはどの幼馴染関係の子供でもありえる話だ。 だが、それ以上に綾香は心が繊細なので自分が夜に部屋に訪れないことを心がけているのだ。 別に綾香にとっては、襲われるとか思われていないらしい。 学校の友達との会話で、そう判明した。
「やっぱ、お前は音海からは信頼されてるな。よっ、モテ男!」
幼馴染でモテ男ってのは少し論外だが、綾香と俺の間に『友情』という言葉が存在するならば『堅い友情』だ。 そこらへんの男子じゃ信頼してもらえないということは本人に聞かなくてもわかる。 いつになっても、純粋な人は純粋なのだ。それを穢れないよう変な男から守ってやらないと。

 ってことで、俺は綾香といっしょに下校することにした。 他の女子生徒だったら、安心できないし、他の男子生徒だったら、頼りないと思っているのだろう。 まぁ、他人の部活を見学するなんて良く考えたらつまらないかもしれない。
「ねぇ・・・ごめんね。私もいっしょに部活見学すればよかったね。」
「いや、案外見てるだけってつまらないと思うよ。鉄棒の授業が無ければなぁ・・・今頃俺は部活で燃えてたのに」
「健君、早く良くなってね!」
さりげなく口にした言葉だが、かわいらしい顔をこちらに向けて、綾香は好意的な笑顔で笑った。 つらい過去があったのに、それを忘れたかのように綾香はいつも笑顔で俺を振り向いてくれる。 そんな綾香が一番の魅力は『笑顔』だった。

5へ続く。

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Posted by iamweak - 2009年04月22日 00:45 | トラックバック (0)

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