「―当たり前のことが当たり前にできなくなったあの日。」-終章-
前回までのあらすじ
学生時代、A君の鈍感さをハラハラしながら見つめるY君。恋敵同士であるMさんとCさんはレストランにて直接対決をするが、それぞれの想いがあり、うまくいかない時間が続く...
結局、アイスクリームグラタンの匂いが衣服に充満するまま、こじゃれたカフェに移動(雰囲気台無し)。たしかC65cafe※1だった気がする。
実際の移動中はほとんど会話がありませんでした。
A君「・・・で、喧嘩の原因は何が原因なの?」
Y君「ええー・・・そこまで空気読めないんですか・・・」
CさんもMさんもあきれ果てて言葉も出n・・・
Cさん/Mさん「あはははは・・・・・・っっ!!」
大爆笑してるじゃん・・・
結局、空気が読めなかったA君にY君は説明してあげました。
Y君「CさんもMさんもY君のことが恋愛感情的な意味で好きなのです。自分からしてみたらリア充でイケメンでA君死ねってとこなんですけど、そこんところどうなの?」
A君「そか・・・」
ここでA君は少し考える仕草をします。ちなみにA君の考える仕草はかっこよくて、右手の人差し指を右眉毛らへんに置いて考えます。様になっているのですが、その真剣な考えるしぐさをCさんもMさんもじっとつぶらな瞳で見つめていたのが印象に残りました。
A君「二人のことはよくわからないから、もっと普通のお話しよ。」
こうしてたわいのない普通の話をして、その日は終了しました※2。
帰る頃にはまだぎこちなさは出るものの、とりあえず2人のケンカの件は、お互い謝って、おおよそ解決していました。
・・・でここで、あとから聞いて驚いたのですが、その日のうちにA君はCさんに対して告白をしたそうです。
前から気になっていたと。Mさんのことは良い人だと思ってたけど、今日の件で一定のラインを超えてしまった(手を出したのがMさんだったので)ため、結婚後もそういったことが起こったら嫌だなって思って、Cさんを見つめることになったとのこと。この事件がなかったらMさんにかなり高い確率で告白していたこと。
つまり今回起こった事件で決定打になり、未来が確定しました。
Mさんが怒ってしまった件について、たった一つのラインを犯したことにより未来が変わってしまいました。
今までの行いだとかそんなのは生きていくだけの単純な作業に過ぎません。A君はそのことを大人になった今でも凄く肝に銘じており、これが悪いことという一定ラインと置き換えて会話をします。
「あの時もしも1回だけ盗人をしてしまったら」「あの時、もしも自殺する人を止められていたら」「あの時もしも○○していたら」
このもしもを考えて実行することで、未来が変わることが沢山あります。
もうお分かりだと思いますが、A君は副管理人である「A氏」、Y君はツンデレ管理人である「幸せ配達人」、Cさんは「A氏の現在の奥さん」です。
今でも彼の胸にはこの事件のことを思い出すことがあるそうです。だから後で後悔しないようにA君は今も最善な行動を取るように心掛けています。
でもここでいう「後で後悔しないように」ってのは大抵の友人が言う「後で後悔しないようにしようね」っていうそういった意味で使われる言葉ではありません。友人が言うその言葉は当人に本当の本質での意味で発言した言葉ではなく「そうすればいいじゃん。そうしなくてもあなたに任せるよ」という意味が含まれます。
そうではなく「一人にとって最善の選択よりも全員にとって最善を取る」という取捨選択的な意味合いを含んでいるそうです。
客観性ってのは、「自身が考える客観性」と「大抵の人が考える客観性」の齟齬を埋める努力をA氏は今もしているそうです。
当たり前に考えていた「好き」という感情は、それ以降、「嫌い」になり、「"別の人が"好き」と変わりました。
※1...「C65cafe」は雰囲気が良い渋谷にあるカフェ。
※2...A君の状況を今回はあまりスポットを当てて話をしませんでしたが、割れたコップの代金やら今まで頼んでいたメニューのお金を払っていたり、店員に土下座してごめんなさいって謝って、近辺にいる人のメニューの代金を払ったりと凄いことしてました。
ちなみにY君もコンビニでタオルを何気なく買って二人に渡したり(上が透けてたんで)上着を掛けてあげたりと紳士的な行動をしてたんですが、パンチラをガン見してたのがばれたんでキモイ言われました。いや二人は気が付いてないかもしれないけどA君もめっちゃガン見してたぜ・・・。